簿記

簿記3級の知識でメルカリの財務諸表を読んでみた

年間受講者が60万人、資格試験の中でも英検・TOEIC・漢検に次いで4位と受講者数が多い日商簿記。企業がIRとして出す財務諸表が読めるようになりたいと思い、簿記に関して何の知識もない私が、約1ヶ月勉強をして先日試験を受け、幸い合格することができました。そこで簿記3級を取った自分が、簿記3級を取るとどういうことがわかるようになるのか、つい先日上場したメルカリの財務諸表を取り上げつつ紹介したいと思います。

簿記とは?

「簿記」と言う言葉を聞いたことがある人は多いと思います。しかし、簿記とは何か問われると勉強をしたことがある人にしかわからないと思います。「簿記」とは「企業の活動を帳簿に記録し、報告すること」です(みんなが欲しかった簿記の教科書日商3級 滝澤みなみ著 引用)。簿記の試験では、取引を記入していく方法を問う問題があり、その方法に従って答えを出すことが求められ、3級の試験では、基本的な取引の記入の仕方(仕訳)、個人経営の商店や企業を想定した財務諸表(損益計算書・貸借対照表)の作成方法を問われます。

簿記3級を勉強することで得られること

簿記3級を勉強すれは、企業の経理や財務担当が日々何をしているのか、財務諸表の作り方やそれが表すことが少しわかるようになります。なぜなら、財務諸表の作成に向けた取引の記入の仕方とその方法を学ぶことができるからです。また、上場企業がIRとして出している、損益計算書(P/L)・貸借対照表(B/S)といった財務諸表を少し読めるようになり、企業の経営成績や財政状態が何となーくわかるようになります。

簿記3級を合格した私がメルカリの財務諸表を見てわかること

先日上場して話題のメルカリの財務諸表を例に、簿記3級を合格した私が財務諸表を通して何がわかるか示したいと思います。

メルカリIR

メルカリが出している3つの財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)のうち、損益計算書と貸借対照表は簿記3級の試験に出ます。キャッシュフロー計算書は出ません。ですので、この損益計算書と貸借対照表の2つを見てみます。まずは損益計算書から。

損益計算書は、企業の経営成績を表します。この表からわかる最も重要な点は、1年で企業がどれくらい儲けたか、あるいは損をしたかということです。

これを端的に表している項目が、特別損失の項目の”当期純損失”(当期純利益)です。

縦列の最上段はFY2017.6と記されていることから、2017年の6月末時点の数字を表しており、当期純損失△4,207は2016年7月から2017年6月の間に、42億の損失を出したということになります。損失とは、費用が収益を上回ったということです。つまり赤字ということですね。

その他にも、簿記3級の知識だとこの表から、売上、売上原価、売上総利益、販売費および一般管理費、受取利息、支払利息の科目は何を表しているかがわかります。それ以外は何を表しているかはわかりません。

営業収益の項目を見ると2億円の赤字です。これは売上220億円に対して、販売費および一般管理費という費用が221億円かかっているからです。アプリの運用や顧客管理、問い合わせ対応等がこちらに含まれてきそうですが、具体的に何についてかは調べる必要があります。

次に貸借対照表を見ます。

貸借対照表は企業の財政状態を表しており、この表からわかる最も重要なことは、資産・負債・純資産のバランスです。

資産とは、「現金や建物、土地など一般に財産と呼ばれるものをいい」、「あるとうれしいもの」のことです(同著)。

負債は、「将来、お金を支払わなければならない義務をいい」、「あると気が重い」(同著)ものです。銀行からの借入金などがイメージしやすいのではないでしょうか。

純資産は、資産から負債を差し引いたものです。株主から調達した資本金や商売で得た儲けを指します。

これらの項目から、資産合計が544億円、負債合計が500億円、純資産合計が44億円ということがわかります。つまり、財産が544億円、今後返済が必要なお金が500億円、資本金等で44億円あるということですね。

内訳を見ると資産の構成として現金、預金が多く、固定資産が少ないので、建物や土地、備品等の資産がほとんどないということがわかります。事実メルカリはネット企業ですし、C to Cビジネスなので、固定資産が必要ないことからも納得がいきます。

負債の部では、未払金という項目が240億円で全体の50%を占めています。未払金は、商品以外の備品や土地等を購入して、まだ代金を支払っていない状態のお金を指すのですが、具体的に何を指すのかはこの表だけではわかりません。何か固定資産に投資をしたとか、利用者への売上の未払とかが想像できます。少し前に騒がれたメルチャリやメルペイへの投資かもしれません。

その他には、売掛金、未収入金、前払費用、資本剰余金、利益剰余金などが何を表しているかがわかります。

 

メルカリとブックオフの貸借対照表を比較する

ここで上記3項目を、ビジネスモデルは異なりますが、リユースの競合であるブックオフと比較してみましょう。

BOOKOFF Group 平成30年3月期  決算短信

この決算短信からブックオフの平成30年3月末時点での、資産合計は478億円、負債合計は345億円、純資産合計は133億円ということがわかります。

メルカリに対して、売上は70億ほど劣りますが、負債の額は資産に対して少なく、資産から負債を引いた純資産、つまり借入金などに頼らない方法で調達したお金(資本金や売上から生じた儲け)はメルカリの4倍あることがわかります。また、これは簿記3級の知識ではないですが、負債÷資産で求められる負債比率はメルカリが91%であるのに対し、ブックオフは72%と返さないといけないお金の額が少なく、ブックオフの方が安全だと感じられるかもしれません。判断のくだし方は人それぞれ考え方があると思います。

このように、簿記を勉強することで、財務諸表の数字が何を意味するのかがわかるようになります。そして、その数字が何を意味するのか、それに対しどのように評価を下すことができるようになります。

自分が務める企業が上場していれば、財務諸表を見てみたり上記のように競合のIRとかと比較してみると面白いです。

 

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